「企画」について考える

以下、かなり長文になります。ご容赦下さい。

以前に「例会の企画をする会員と一度も企画をしない会員がいるのは問題」と書きましたが、
一部で反響を呼んでいる上に誤解されているようなので、自分なりの考えをまとめるために
もう一度考え直してみたいと思います。

私はこれまでにいくつかのクイズサークルにお邪魔させてもらうことがありましたが、基本的に
クイズサークルにおける「例会」と「企画」の定義はおおよそ次の通りと理解しています。

「例会」=月1回程度の頻度で会員が一定の場所に集まり、「企画」を通じてクイズを楽しむ

「企画」=ある会員が担当者となってクイズ問題の作成・ルール・ラウンド構成・演出などを考え、
      その他の会員が参加する「クイズ大会」

以上の前提に基づき、考えていくことにしましょう。
まず、「企画」はクイズを出題する側に立つという意味で、ある種の「責任」や「負荷」がかかる
「仕事」と考えられます。やはり出す問題はちゃんとウラをとっておく「責任」がありますし、学生
にしろ社会人にしろ一般生活の時間を削って準備をしなければいけないわけで、この部分は
「負荷」になるでしょう。この会員相互による「仕事」によって、会員はクイズを楽しむという「利益」
が与えられると考えることができます。同じクイズサークルという組織の中では、企画という「仕事」
を毎月1回ずつ年間で分担することによって、会員全体がクイズを楽しむという「利益」を享受
するという仕組みになっている考え方は皆さんにもご理解いただけると思います。

その上で、私が「例会の企画をする会員と一度も企画をしない会員がいるのは問題」というのは、
企画をするという「仕事」がある一定の会員に集中し、その一方で何もせずに「利益」を享受する
だけの会員がいるという「現実」は、組織全体の公平・公正さを出来る限り保つという考え方から
見れば「問題」がありますよね、ということなんです。「一度も企画をしない会員」自身が問題と
言っているのではなく、そういった会員が存在しているサークルという「組織」のあり方が問題だ
と言うのが私の考えなのです。

このこと自体は「問題」ではないという人がいます。自分自身が「企画」をすること自体を「負荷」と
感じていないのかもしれませんし、企画をせずにいる人がいても組織全体としてさほど「問題」で
はないという考えなのかもしれませんが、この点は良く分かりません。しかし、定期的に「企画」を
こなしている人から見れば、一度も企画をしない会員というのは、少なくとも「企画」を分担すると
いうクイズサークルにおける根本的な部分を担わずに「利益」だけを享受している人がいる、とは
言えないでしょうか?例えは変ですが、「税金」を払わずに税金による公的な「恩恵」を受けている
ような人だと思います。

また、「企画」が出来ないような人は会員として受け入れるべきではないという人もいるでしょう。
ただ、「例会の企画が出来ない方は会員になるのをお断りします」とは私自身考えたくありません。
クイズ初心者を入会した最初の段階で判断することは誰にも出来ないからです。その一方で、ク
イズサークルは企画者(出題者)の「GIVE」と参加者(回答者)の「TAKE」のバランスによって
成り立っているという考え方は初心者の皆さんにも十分理解してもらい、将来的には企画してもらう
ようになるべきでしょう。これまでそのための努力や配慮はサークルとして欠けていたかもしれません
ので、この点は私も含めて反省する必要があります。

クイズ初心者をサークルとして受け入れて「クイズに楽しむ人の裾野を広げていく」という考え方に
私は賛成です。そのために出来ることが何かあればむしろ協力したいとも思います。しかし、最初
は例会に参加するだけで楽しむばかりの会員も、いつかは他の会員と同様になるべきだと私は
思います。これには異論がある人もいるでしょう。しかし、クイズを楽しむ「楽しみ方」はクイズを「解
く」ことだけではなく、クイズを「作る」「出題する」という楽しみ方もあるわけで、サークルとして初心
者向けにこの点も大いにPRしていく必要があります。

福岡の愛好会の場合、毎回例会には20名近く参加するということ、かなりレベルが高い人から初心
者クラスの人まで実力差があること、これらの人をほぼ全員満足させられるような企画を考える必要
があること、等を考え合わせると、いきなり一人で企画の全てを完璧にこなすことは不可能でしょう。
例会の担当者を複数でやっても良いというルールがあるのはそのための緩和措置ですが、実際に
はなかなか活用されていないと言えるかもしれません。そもそも「初心者」を受け入れるためのアク
ションプランを何か持っているわけではないですし。この点も検討の余地があります。
もう1つ、テーマ別10問クイズのような初心者でも担当できるような構成に例会を改めてみるという
のも、1つのアイデアかもしれません。実際、山口なんかでもやっています。

いずれにせよ、サークルとしての「例会」のあり方は、考える必要がありそうです。この問題提起が
いい方向に向かうことを期待します。